こんさーる日記の別館です


by orataki01

つれづれなるプライベートコメントNo.1

これは中小企業診断士制度の在り方を読んだ感想をプライベートコメントタッチでまとめたものです。独断と偏見があることをお断りしながら書き綴ります。

■はじめに

今回の改正の趣旨は「総数の拡大」と「質と信頼性の確保・向上」でした。この2点は矛盾をはらみながらも理解できるコンセプトだと思います。しかし総数を拡大したいから試験を受かりやすくするのはいかがなものかと思います。

負担を軽くするということは品質を落とすことに他なりません。科目ごとの合否を決めると最初の科目合格から最終の科目合格まで数年、ひどい場合は十数年かかる可能性もあります。現実に旧制度の一次試験合格の2次試験永久受験資格をまだ行使していない人もいます。(もう無効になっているかもしれませんが)

また、5年前の経営情報の知識が役立つかも怪しいものです。合格した科目の勉強は当然しなくなるわけですから知識は陳腐化します。税理士と違い勉強範囲が広いので習得知識が発散してしまう可能性があります。とても品質が維持できるとは思えません。

総数の拡大の根拠として18000人の登録者数に対して稼動できる診断士として7000人と見積り、470万社の中小企業をサポートするのに総数が足りないと考えているようですが有効稼動者が何名いれば足りるのか、つまり7000人に対して何名が目標なのかが明示されていません。目標があいまいな計画案はうまくいきません。中小企業診断士が抽象企業診断士にならないことを祈ります。

質の拡大の骨子は資格更新で診断実績を重視することです。これは企業内診断士、そして学生にとっては大きなハードルになることでしょう。どんな人たちが不利になるのか。以前、私のHPで企業内診断士をセグメントしたことがあります。以下、転載いたします。

・独立志向派

資格を独立の武器として最大活用しようとする人たちです。この類型の過半数は独立による経済的不安よりも自己実現を優先します。独身であったりDINKSだったりして身軽な人が多いようです。

この人たちは資格を取得すると支会活動に積極的に参加し、人脈形成に余念がありません。数十万円もの高額の実践的研究会に参加し、大先生の知遇を得て即戦力化を図ろうとします。独立を志向するのだから2足3足のワラジも苦にならないしそれを全うする体力もあるのです。

・資格フリーク派

この人たちにとっては診断士資格は数あるゴールドメダルのうちのひとつに過ぎないようです。資格でメシを食うという意識はさほどなく、自分の可能性を探求することに腐心します。この人たちは協会に所属せず、資格更新研修のときだけヌーっと現れることが多いです。

一般の凡人からすれば「よくぞ、これだけ集めたな」というため息がでてきます。しかし、難関試験を突破した人は程度の差こそあれこの分類の要素をもっているのではないでしょうか。通勤電車の中でボケーっと車窓の風景を眺めていることができない方は十分に素質ありです。

・資格守護神派

単刀直入にいえば「リストラ対策」です。この資格を神社の守護札のごとく神棚に飾り、さりげなく周囲にアピールします。それで、雇用が保証されるほど会社は甘くありませんが、自分ほどの人材が必要とされないわけはないと自分に暗示する効用は確かにあります。

これを「リストラ回避の逆プラシーボ効果」といいます。近年、このタイプの診断士は着実に増えてきています。業種的には「金融系」「建設系」「流通系」が多いようです。また、最終的に非自発的独立志向派になることも増えてきています。

・自己啓発派

中小企業診断士というネームバリューをこころの拠り所としようとするところは資格守護神派と変わりませんが逆プラシーボ効果を自分自身に向けて自己啓発しひいては出世街道のターボエンジンにしようとする人たちです。まじめな課長クラスの人に多いようです。

・定年対策派

60歳前後の不惑の年齢層の人たちは、まずこの分類に入ります。有名大手企業出身が多いようです。大企業の場合、企業の歯車としてなかなか思い通りのことができません。実力はあるのだから、ここで定年延長や再雇用されるより、一国一城の主となり一花咲かせたいというのが本音のようです。

この人たちの独立ステップは地味なものが多いです。区や都道府県の仕事をまず確保し、ISO審査員補などとして脇を固めてゆく。年齢的・体力的に過激な受注は無理なので当然といえば当然なのですが、なにせ年金という安全弁があるので強力なハングリ精神がないと大成できないようです。やたらと診断士単価を引き下げる元凶であるとの批判も一部にはあります。

・ケイコとマナブ派

学生や入社まもない資格ホルダーが相当します。就職氷河期を乗り切るため学校の推薦もあったのかもしれませんがTOEICなどとともに人気があるようです。また、転職に有利ということでミスマッチな企業に就職してしまった新入社員にも人気です。ただ、この分類の方を一人も知りません。履歴書に一行書くだけの資格ですから協会にはまず入会しません。経済的余裕もないでしょう。

・なんとなくクリスタル派

上記の分類に入らない方の総称です。なんか面白そうな資格だから受験したら受かっちゃった。主婦をやってて自分の存在を確かめたくて。などという人たちです。血みどろの勉強をしている人にとっては腹立たしい限りですが、このような分類の人も何百人に一人はいるんです。


この中で、新制度に耐えうるゾーンの人たちは「独立志向派」「定年対策派」だけです。中小企業診断士資格を名刺の飾りつけにしたい人や試験突破術に秀でた、単なるテクニシャンが排除されることに何の異論もありませんが、コンサルタントになりたいという願望のある人には何とか残って欲しいし、ネットワークを構築したい。

プロコンまでの助走フェーズとして残る人と去る人が峻別されるのであれば異論がありません。新制度ではわれわれに「覚悟」を求めています。プロコンの方々は皆それなりの「覚悟」があります。プロコンか否かはこの「覚悟」の差なのだろうと思います。

(つづきは後日)
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by orataki01 | 2005-02-19 14:13 | 中小企業診断士