こんさーる日記の別館です


by orataki01

【IT投資と事業戦略の整合性】

OSPG特別セミナーより

「今回のIT投資の費用対効果はきちんと出ているのであろうか」CEO、CIOの方々は少なからずこのような課題に直面したことがあるはずである。ただ漠然と効率化されたのでないかと感覚的にとらえるだけでは十分ではないし、数値化してどれくらい人件費が削減されたとか物流費が削減されたかと計測しても部分的にやっていたのでは真の効果を把握することができない。

そこにはIT投資マネジメントを導入する必要があるのだ。ITの期待効果というのは時代とともに変わってきた。最初の期待効果は「自動化・省力化」であった。これは既存業務を単にコンピューターに代行させただけであり、人員削減効果や作業時間削減効果が指標として用いられた。

次のステージになると期待効果は「データ活用」となってくる。蓄積されたデータに情報としての意味づけをし、分析することにより意思決定支援することが効果であるとされてきた。この意思決定支援というのは数値化することがやさしくはないが意思決定に関するプロセス費用や○×方式の決定にはなんとか定量化できるものであった。

現在では第三段階にはいっている。期待効果はズバリ「ビジネス変革」である。ビジネスそのもののやり方をどう変えられるかがキーポイントとなってくる。この第三段階ではインターネット技術をベースとするものが多く低価格導入できることかさらも中小企業にも適用されやすい。ビジネス変革して効果があるかどうかは事前に新ビジネスの青写真が描けるかどうかにかかっている。

青写真を描く際に、このITに関わるステークホルダーの享受するメリットを把握しなければならない。ステークホルダーは大別すると「経営者」「情報システム部門」「現業部門」に分けられる。経営者は「それで儲かるのか」という視点をもち、情報システム部門は「それで役立つのか」という視点を持ち、現業部門は「それで便利になるのか」という視点を持つ。3者の思いは異なっているのが普通である。

さて、IT投資効果にについて整理してみる。われわれはTCO(Total Cost of Ownership)
という概念に振り回される危険性があることを認識しなければならない。TCOとはコンピュータシステムの導入、維持・管理などにかかる費用の総額のことである。

従来、コンピュータシステムのコストは製品価格(導入費用)で評価されることが多かったが、近年のコンピュータシステムの複雑化や製品価格の下落などにより、コンピュータシステムの維持・管理やアップグレード、ユーザの教育、システムダウンによる損失など、導入後にかかる費用(ランニングコスト)が相対的に大きな存在となったため、TCOが注目されるようになった。つまり、平ったくいうと初期投資費用の安さにだまされてはいけないということである。

しかしながら、最近ではTCOでは不十分でありTVO(Total Value of Opportunity)
を考えるべきというのが主流になりつつある。

ガートナーではIT事業貢献の最適化支援としてこのへんを体系化している。新たな視点は「財務的な将来価値」「事実上の実施優先順位」が加味されている点である。財務的パーフォーマンスでは「市場感応度」「顧客感応度」「従業員感応度」などなど細かい指標が設定されている。これらをモニタリングすることにより、より精度の高い効果測定ができる分けである。

ただし、このようなモニタリングを高額なコンサルテーションを通じて行なうこと自体が意味のあることなのか十分に吟味しなければならない。モニタリングすることが目的になっては元も子もない。
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by orataki01 | 2005-07-17 22:48 | 中小企業診断士