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こんさーる日記の別館です


by orataki01

物流とロジスティックスを考える

orataki ゼミ新春スペシャルセミナー「ロジスティックスの基礎」を開催しました。気づいた要点をまとめておきたいと思います。

1)企業の抱える課題はどう変化してきているか。

・高品質/低価格はあたりまえ。品質や価格では差別化できない時代になってきている。市場ニーズを的確にスピーディに商品に反映させ供給するシステム・体制が必要になってきている。コストカットの次なるターゲットはロジスティックスという手付かずの暗黒大陸である。

・運送費と保管費はトレードオフの関係にある。この中で最適値を見つけること、作り出すことが企業の収益増につながる。DELL・ASKULはその最適値を見つけたモデルである。DELLは供給時間をある程度犠牲にして保管費用を圧縮しITを利用してコスト削減し価格にフィードバックさせている。

2)物流とロジスティックスとはどう違うのか。

・物流は物の流れを対象とし部分最適にしたもの。ロジスティックスは市場動向に起業活動を即応させるマネジメントであり全体最適を志向する。そのコントロール下に生産・仕入・物流がある。具体的にはERPを導入して最適化を図る行為としてもよい。

3)物流の基本機能をおさらいしてみよう。

・保管/流通加工/荷役/包装

4)日本の流通の特徴をおさらいしてみよう。

・迂回性・多段階性がある
・系列化が進んでいる(最近は崩壊しつつあるが)
・多大な行政干渉がある(薬事法/酒税法/旧大店法/新食糧法)
・日本的商習慣がある
・バイイングパワー台頭により小売側が配送センターをコントロールすることが多い
・生産から販売まで一気通貫にオンライン化されている率は日本2%、米国60%


5)「物流コスト氷山説」とは?

・物流コストで目に見える部分というのは小さいということ。費目的にいうと多くの企業が「荷造り運賃費」=「物流費」と認識している。実際はそれに携わる人件費や固定資産や減価償却費なども加味しなければならない。それを実現するにカきちんとした管理会計が実施されていなければならない。

6)これからのロジスティックスの方向性

・協同組合化
・アウトソーシング
・SCM
・企業内ビジネスプロセス統合→企業間業務提携→チェーン全体でのプロセス統合

7)これから調査すべきキーワード

・フォレスター効果
・物流ASP
・クロスドック

8)疑問点

・SCMが進めばパパママストアなど零細企業は仕入先として排除されるのか、または共同化してひとつの仕入先として生き残れるのか??
by orataki01 | 2005-01-16 11:49